「ホラー」と「怪談」の違いとは?

ホラー・怪談

ホラーと怪談の違いを知って、「怖い」を楽しむ

日本には「怖い話」を表す言葉として「ホラー」と「怪談」があります。
どちらも怖い話を扱っているという点では同様ですが、その内容には違いがあるのです。
この記事では、それぞれの特徴と違いについて解説していきたいと思います。

目次

ホラーとは何か、その定義と特徴について

ホラーは英語の「horror」から来た言葉で、主に西洋から伝わった怖い話や、怖いエンターテインメントのことです。


海外のホラーは、暗闇から突然何かが飛び出してきたり、大きな声や悲鳴、音を出して驚かせてくることが多いと思いませんか?
また、グロテスクな見た目のモンスターやゾンビなど、分かりやすい「恐怖の対象」が存在していますよね。
映画などでは血しぶきの演出も多用され、私たちの「五感を刺激する」恐怖と言えるのではないでしょうか。

つまり、視覚的・身体的な恐怖を前面に押し出していることが大きな特徴と言えます。

ホラー作品は、スリルを求める人々に人気があります。
恐怖をエンターテインメントとして消費し、その刺激を楽しむというスタイルですね。映画館やテーマパークのお化け屋敷など、非日常的な空間で体験することが多いのも特徴的です。

怪談とは何か、日本ならではの恐怖文化

怪談は日本独自の恐怖文化で、「怪しい話」「不思議な話」が語り継がれていったものです。
江戸時代から続く「百物語」のように、夏の夜に集まって怖い話を語り合う風習が背景にあります。

怪談の特徴は、心理的・精神的な恐怖を重視することです。幽霊や妖怪が登場しても、派手な演出よりも「じわじわと背筋が寒くなる」ような不気味さを大切にします。また、話の背景に因縁や祟り、人間の業といった要素が絡むことが多く、単なる恐怖を超えた深みがあります。

怪談は語り継ぐ文化であり、話し手の語り口や間の取り方が重要です。
夏の風物詩として楽しまれ、暑さを忘れさせる「涼」を得る目的もあります。聞き手の想像力を刺激し、余韻を残す点が魅力だと思います。

毎年夏に、稲川淳二氏が「稲川淳二の怪談ナイト」という全国ツアーを開催していますが、30年以上続いています。このことは怪談が“語り継がれる”ことで命を保つ、という文化を体現しているのではないでしょうか。

ホラーと怪談の主な違いについて

ホラーは視覚的・直接的な恐怖表現を用い、映像や音響効果を駆使します。
一方、怪談は言葉や文章による間接的な表現が中心で、聞き手の想像に委ねる部分が大きいのが特徴です。

ホラーは「驚き」や「ショック」を与える、瞬間的な恐怖を追求しています。
それに対して怪談は、「不安」や「不気味さ」といった持続的な恐怖を醸し出し、話が終わった後も心に残るような余韻を大切にしていると言えるでしょう。

映画館で怖い映画を楽しむ人々

ホラーと怪談は、どちらも「恐怖」を扱っていますが、そのアプローチにはかなりの違いがあります。
ホラーは刺激的で視覚的なエンターテインメントとして、怪談は想像力を刺激する伝統文化として、それぞれの魅力を持っているのです。

どちらが優れているということではなく、その時々の気分や好みに応じて楽しむことができます。
暑い夏の夜には日本の怪談で涼を取り、週末には映画館でホラー映画のスリルを味わう。そんな使い分けができるのも、日本の恐怖文化の豊かさだと思います。

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